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NINAGAWA十二夜

NINAGAWA十二夜 09年6月

新橋演舞場、1Fの中央で。1万5000円。今井豊茂脚本、蜷川幸雄演出。シェークスピア劇を歌舞伎に置き換えた本作。私は2007年の再演を観ているが、今回はロンドン・バービカンシアターでの上演を経た凱旋公演版だ。

客席を映し出す巨大な鏡や、透ける幕を使った演出の美しさは、前回の印象通り。主膳之助、琵琶姫二役を演じる尾上菊之助さんは、声がよく通り、存在感を増した感じがした。男と女の演じ分けも鮮やかだ。
とはいえ前回に比べると、菊之助さんが2幕の冒頭でエビぞりをみせる優美な踊りのシーンとか、菊之助さん、菊五郎さんのたびたび早替わりとかの演出が与える驚きは、ややおとなしくなった気がした。ロンドン公演のために全体が2幕に刈り込まれ、テンポアップしたせいか。

ストーリー上の印象も、訳あって男装となっている琵琶姫と、中村時蔵演じる織笛姫を軸にした恋のドタバタのおかしみが、若干後退したかもしれない。
一方で、脇筋である3人の小悪党のコメディアンぶりに磨きがかかっていた。安藤英竹役の中村翫雀は英語を乱発するし、何より麻阿の市川亀治郎が凄い。表情の変化や細かい身振りなど、一時も目を離せない堂に入った悪女ぶり。なにしろパンフレットを読むと、人物造形では傑作ミュージカル「シカゴ」などを参考にしたというのだから、そりゃあ一筋縄ではいかないはずだ。小悪党たちのインパクトによって、「本当に賢い人なんていない」というシニカルさがよく伝わってきた。

ちなみに上演していた時期、蜷川さんは脳梗塞で倒れていた由、大事に至らなくて本当に良かったです…

『NINAGAWA二夜』凱旋公演の感想 六条亭の東屋
「NINAGAWA十二夜」を見る 芝居遊歴控

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