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文楽 ひらかな盛衰記

文楽公演 第167回 第2部 09年5月

国立劇場小劇場、右後方の1等席6500円。4時開演。

満員御礼の初日に、20年ぶりという二段目、四段目の半通しを観る。鶴澤清志郎さんに三味線解説を伺った後、その清志郎さんと豊竹松香大夫さんで「梶原館の段」。続いて豊竹呂勢大夫さんで「先陣問答の段」、竹本千歳大夫さんで「源太勘当の段」。ここまでで吉田和生さんが遣う源太が勘当に至る事情、吉田玉也さんの延寿が示す母心などが語られる。梶原平三景時の館でのやりとりが続き、全体に地味な印象。

25分の休憩後、豊竹英大夫さんで「辻法印の段」。がらりと雰囲気が変わる「チャリ場」で、義経とともに一ノ谷の合戦に馳せ参じたい源太が、情けない法印に無理矢理、弁慶のふりをさせ、近隣の民をごまかして兵糧米をせしめる。上演は珍しい段ということだけど、ユーモアたっぷりで大夫さんのテンポが良く、人形もツメに至るまで伸び伸びした感じで、とても楽しめた。客席もよく沸いてましたね。ツレ三味線で若手の豊澤龍爾さんがちょっとだけ登場。

10分の休憩があって、いよいよ「神崎揚屋の段」。初役だというベテラン豊竹嶋大夫さんが、渋い声なんだけど、手を振ったり伸び上がったりして、かなりの熱演です。二段目の腰元千鳥の時は控えめだった桐竹勘十郎さんの梅ケ枝が、やっぱり控えめなままでは終わらず、華やかな傾城姿で登場。後半、髪を振り乱し、思いあまって手水鉢を叩こうとするあたり、大夫さんと四つに組み、気合いが入って見応えたっぷり。それにしても、色男の源太が、十分つくしている梅ケ枝に対してさらに我が儘を言ったり、梅ケ枝のほうも源太のためにとにかくお金が欲しいと口走ったり、なかなか下世話で、現代に通じるストーリーだなあ。
最後は「奥座敷の段」。豊竹咲甫大夫さんが、いつも通りよく通る聞きやすい声で語ってくれました。豊竹清十郎さんが遣うお筆が現れ、父の敵と詰め寄られて窮地に陥る源太。しかし延寿が覚悟を示したことで、文楽の時代物には珍しく凄惨な自己犠牲は避けられ、ハッピーエンドとなる。

今回は渋めの演目で、三味線に注目したいと思ったけど、やっぱり始まると大夫の声や人形の動きに、耳と目が奪われてしまいます。まだまだですねー。

 文楽五月公演 第二部  観劇・感激・KANGEKI
5月公演2部(10日) DancingLivingDollsぶんらくはおもしろい

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