歌舞伎「彦山権現誓助剣」「廓文章」「曾根崎心中」
歌舞伎座さよなら公演四月大歌舞伎 09年4月
4時半からの夜の部を観る。1階中央付近の席。1万6000円。ご年配を中心に、満員のようだった。
豊前、大阪を舞台にした3演目で、全体にユーモアが効いた、大人の舞台という印象をもった。まずは「彦山権現誓助剣」の九段目「毛谷村」。吉右衛門さんの剛毅な六助に、福助さんのお園がとてもチャーミング。子どもを抱えて取り落としたり、立ち回りをしながら口説きを語ったり。
休憩を挟んで「廓文章」の「吉田屋」は、まさに絵になる一幕。仁左衛門さんの伊左衛門は、白塗りたっぷり下がり眉で、滑稽かつ上品だ。広い座敷をちょこちょこ走り。そして玉三郎さんの夕霧は登場シーンが圧巻。あえて表情を抑制している感じで、美しさが際立ち、衣装もため息が出ました。
最後にお待ちかね「曾根崎心中」。藤十郎さんのお初は、決して賢くはないし、幼い。だからこそ、突っ走る。そういう切なさが、溢れている。圧倒的な悲恋物語だけれども、それだけではなく、寿治郎さんのお玉ら、脇それぞれのキャラクターも際立っている。そして余韻を残す幕切れ。あー、堪能しました。
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