蜻蛉峠
いのうえ歌舞伎☆壊(Punk)「蜻蛉峠」 2009年3月
劇団☆新感線2009春興行。赤坂ACTシアター。1F右後方、1万1000円。
宮藤官九郎作、いのうえひでのり演出。古田新太、堤真一、高岡早紀。寂れた宿場町でのケチな抗争、そして25年前の凄惨な事件の真相を描く時代劇。
人気劇団の公演に行ってみる。若い女性が多いのに、まず驚く。実際、ギャグや着ぐるみ、物まね歌謡ショーといった下世話なサービスがたっぷり。それを観客が待ちかまえている感じで、ファンの熱心ぶりがよくわかった。
社会背景への目配りは、さすがのクドカン節だ。終盤で、重要なシーンを巻き戻して謎解きしてみせる仕掛けも期待通り。場面転換がけっこう複雑だけど、紗幕に投影した映像を、後方の人物や装置に重ねていく緻密な構成がうまい。
もっとも、個人的には登場人物やギャグは多すぎる。ちょうど人物それぞれの情念が盛り上がるな、と思うと、ロックの大音響でかき消される感じで、そのへんは物足りなかったかな。
殺陣にスピード感があり、俳優陣の色気はさすがです。特に堤真一の着流し立ち姿。それでも、まだまだ控え目にしている印象があって、古田新太をたてているのかも。この人の別の舞台を観てみたい。上川隆也との対決とか。若手の勝地涼、木村了の「Wリョウ」も頑張っていた。
蜻蛉峠プレビュー 日々これ日常
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