立川談志一門会 「長短」「薄型テレビ算」「堪忍袋」「つるつる」
立川談志一門会 09年2月
練馬文化センター大ホール。S席、2Fの前の方。4000円。
大ホールが満席の盛況。以前の同じ練馬文化センターでの一門会に比べ、客層が若い感じがする。家元復活の期待からか。
まず若い立川談修さんが、コンパクトに「長短」。気の長い男と短い男の珍妙なやりとりは、歯切れが良くて聞きやすい。終わって脈絡なく、江戸端唄「茄子と南瓜」を踊ってびっくり。これは家元の演目につなげる振りだったのかなあ。
続いて立川談笑さんの「薄型テレビ算」。古典の「壷算」を現代風に改変したもの。そもそも元になっている一種の詐欺話がとても巧妙だし、騙し騙されのテンポがよく、気持ちよく笑った。
そして柳亭市馬さんの「堪忍袋」。小さん門下だから兄弟弟子の縁ということかな。声がよく、力を抜いた感じが達者。お得意の歌も一節。
中入り後、元ザ・ニュースペーパーの松元ヒロさんがスタンダップ・コメディ。出演者それぞれ中川財務相の辞任をネタにするなか、麻生首相の物まねも含めて、テレビに出ない毒舌をたっぷりと。
そして、いよいよ談志さん。最初に意味不明のパントマイムがあって、小話をいくつか。病気からの復帰と、騒がれるのに照れているみたい。確かに広い会場全体が、緊張して迎える感じだったものな。
ネタは30年ぶりとも言われる「つるつる」。幇間が好きな芸者と会う約束をしたのに、新橋のお座敷で引き留められる話。途中で非常ベルのような音が鳴り出すハプニング。高座をじゃまする落語協会の仕業か、などとぶつぶつ笑わせながら、何とか続行。その後、客席携帯電話の音もあったけど、あえて無視してました。噺は変わらず味わい深かったけれど、幇間のはじけた感じを出すには、残念ながら声の張りが今ひとつ。それをあえて演じてみせて、枯れないところを示すのが意地なのだろうか。終わって、何はともあれ一席やれたことに意味があると、またぶつぶつ言いながら小話をいくつか。いやー、観られて良かった。
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