平成中村座 仮名手本忠臣蔵
平成中村座十月大歌舞伎 通し狂言 仮名手本忠臣蔵 08年10月
浅草寺本堂裏の特設劇場で。狭い入り口で靴を脱ぎ、急な階段を上がって2階席へ。正面2列で、竹席1万4700円。すぐ横がお茶菓子、三段重ねお弁当付きの「お大尽席」でした。面白い!
わずか830席で、席が狭いのはちょっと辛いが、年齢層の幅広い観客の間に一体感があり、始まる前からわくわくする。役者の息づかいが聞こえるようで、「大向こう」も頻繁にかかり、いかにも芝居見物という感じ。
この日はDプログラムで、若手が奮闘する五段目、六段目、七段目だった。五段目は、先日の志の輔さんの落語「中村仲蔵」のテーマになっていて、是非観たかったところ。貞九郎の鮮烈な色彩の演出に、満足。続いて貧しい庶民の家を舞台にした六段目は、勘太郎の勘平、七之助のおかる。仁左衛門が不破数右衛門、勘三郎が源六で舞台を締める。誤解、行き違いが続く展開に、なんでなんでーと思っているうちに、勘平が切腹してしまう。あれまあ。
休憩の間に席を回ってくる売り子さんから、押し寿司とビールを購入して腹ごしらえ。
後半はがらりと華やかになって、祇園一力茶屋の場。橋之助の由良之助が、さすがの色気。裏があるというか、一筋縄でいかないというか、なんだか観ていてどきどきする大きな役ですねえ。勘太郎が、今度は寺岡平右衛門役で大活躍。前半から出ずっぱりで、さぞや疲れると思うけれど、溌剌としてユーモアがあった。本当に勘三郎さんに似ている。七之助も良いけど、ちょっと骨太というか、はかなさが今ひとつか。
いやー、非日常をたっぷり楽しみました!