文楽「近頃河原の達引」「本朝廿四孝」
文楽公演 08年9月
国立劇場小劇場。左後方の席で6500円。
襲名のお祝いということで、人間国宝目白押しの楽しい舞台でした。
まず11時から「近頃河原の達引」。「四条河原の段」は立ち回りや舞台背景の転換が鮮やか。「堀川猿回しの段」は冒頭のお稽古で人間国宝・竹本住大夫が「鳥辺山」を聞かせる。続いて後半の泣かせどころは人間国宝・竹本綱大夫。人間国宝・吉田蓑助のおしゅんが上品。猿回しの与次郎と2匹の猿が滑稽だけれど悲しくて、いいお話でした。
1時から25分の休憩の間に食事をし、五世豊松清十郎襲名披露の端正な口上。さらに休憩15分を挟んでお楽しみ「本朝廿四孝」。「十種香の段」は堀川とはうって変わって障子も目に鮮やかな武家屋敷で、衣装も美しくて絵画的。
蓑助の武田勝頼、人間国宝・吉田文雀の腰元濡衣、清十郎の八重垣姫、さらに桐竹勘十郎の長尾謙信と、豪華なキャストがかみしもを着けて演じてとても華やかだ。
舞台上で装置が入れ替わり、「奥庭狐火の段」。舞台に昔ながらの燭台がさがり、鬼火が踊るなぞめいた雰囲気。まず蓑助の狐が駆け回る。水に映る狐の顔の仕掛けがコミカル。音楽組では人間国宝・鶴澤寛治の三味線に、鶴澤寛太郎の琴が加わる。最後はなんと八重垣姫に勘十郎さんが加勢し、白い衣装に早変わりして激しく動き、大いに盛り上がった。なんだか観るほうも忙しい舞台でした。
終演後に住大夫さんのお話をきく。「堀川」は実は好きじゃないとか、東京なまりはいかんとか、80歳過ぎとは思えないヒートぶり。名人の味わいがとにかく楽しい。まだ文楽2度目の初心者ですが、大満足でした!
猿廻し 真ん中な日々
文楽「豊松清十郎襲名披露公演」そして竹本住大夫の講演 www.さとなお.com
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