志の輔らくご・ひとり大劇場 「生まれ変わり」「三方一両損」「中村仲蔵」
「志の輔らくご・ひとり大劇場」 08年8月
国立劇場大劇場。4500円。
昨年に続き2回目だが、やはり1600人 満員で壮観。回り舞台やせり、花道への照明、拍子木などはあったけれど、映像を多用した昨年に比べると演出は控えめだった。演目もちょっと地味な印象で、それだけにうまさが際立ったと思う。
まず三枝作「生まれ変わり」。開催中の五輪を意識したのか、活躍するアスリートと比べ「平凡な自分」を自ら笑うかのような趣向。お囃子をはさんで、水泳の選手紹介に例えて小話を連発。笑いのツボの多様さに伴う噺家の悩みを表現してから、「三方一両損」へ。割合あっさりした運びながら、「どこがおかしいんだ」というさげを、導入部分とうまく呼応させていた。
ロビーに出ると外はざんざん降り。休憩の後、実在の歌舞伎役者を主人公にした「中村仲蔵」をじっくりと。やはり五輪にも通じる、「きわめる」男の人情話だ。笑わせたり泣かせたりに加えて、クライマックスである「5段目」の口調に達者ぶりがにじむ。いやあ、格好いい。味わい深い高座でした。
志の輔らくご ひとり大劇場 8/16昼の部 茜のとぉんと来ました
« 「羊と兵隊」 | トップページ | 「SWING!」 »
「落語」カテゴリの記事
- 落語「元犬」「黄金の大黒」「代書屋」「抜け雀」「蝦蟇の油」「雪の瀬川」(2025.02.08)
- 2024年喝采尽くし(2025.01.01)
- 落語「錦の袈裟」「替り目」「ぞろぞろ」「雁風呂」(2024.10.06)
- 落語「英会話」「夢の酒」「高砂や」「松曳き」(2024.09.14)
- 好二郎「真田小僧」「もう半分」(2024.07.23)
« 「羊と兵隊」 | トップページ | 「SWING!」 »
コメント