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「SWING!」

ブロードウエイミュージカル「SWING!」  08年8月

Bunkamuraオーチャードホール。2階席。1万2000円。

ストーリーがないレビュースタイル。「フォッシー」以来か。今回はベニー・グッドマン、カウント・ベイシー、デューク・エリントンなど30、40 年代の暗い世相を吹き飛ばしたスウィングジャズの名曲を約30曲満載し、ハーレム「サヴォイ・ボールルーム」への賛歌をうたいあげる内容。舞台上のバンドの前で、男女がペアでアクロバティックな「リンディホップ」を踊り、飛び跳ねたりエアリアルを連発したり。ダンス合戦のようで理屈無く楽しい。
歌と演出にも工夫があって、恋人同士の たわいない喧嘩をスキャットで演じる「ブリ・ブリップ」、ベースと女性ダンサーがからむセクシーな「ハーレム・ノクターン」、日本語も交えて元気な女性ダ ンサーが男性を振り回す、コミカルな「ダンサーズ・イン・ラブ」などなど。歌をたっぷり聞かせる名曲「クライ・ミー・ア・リヴァー」が良かった!

ただ、2階席からダンス合戦に参加するにはホールが大きく、今 ひとつはじけずに終わった感じなのが、ちょっと残念。ダンス関係者なのか、2階席の右の方には盛り上がって声を上げるお客さんがいて楽しそうだった一方、ジャズファンらしき静かに聞きいる年配の男性も目立ち、味わい方は人それぞれでしたね。

スウィングしなけりゃ意味ないね♪  Somewhere Over the Rainbow

Swing3_2

志の輔らくご・ひとり大劇場 「生まれ変わり」「三方一両損」「中村仲蔵」

「志の輔らくご・ひとり大劇場」 08年8月

国立劇場大劇場。4500円。

昨年に続き2回目だが、やはり1600人 満員で壮観。回り舞台やせり、花道への照明、拍子木などはあったけれど、映像を多用した昨年に比べると演出は控えめだった。演目もちょっと地味な印象で、それだけにうまさが際立ったと思う。

まず三枝作「生まれ変わり」。開催中の五輪を意識したのか、活躍するアスリートと比べ「平凡な自分」を自ら笑うかのような趣向。お囃子をはさんで、水泳の選手紹介に例えて小話を連発。笑いのツボの多様さに伴う噺家の悩みを表現してから、「三方一両損」へ。割合あっさりした運びながら、「どこがおかしいんだ」というさげを、導入部分とうまく呼応させていた。

ロビーに出ると外はざんざん降り。休憩の後、実在の歌舞伎役者を主人公にした「中村仲蔵」をじっくりと。やはり五輪にも通じる、「きわめる」男の人情話だ。笑わせたり泣かせたりに加えて、クライマックスである「5段目」の口調に達者ぶりがにじむ。いやあ、格好いい。味わい深い高座でした。

志の輔らくご ひとり大劇場 8/16昼の部 茜のとぉんと来ました

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