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立川談志 一門会 「看板のピン」「イラサリマケー」「替り目」「源平盛衰記」

立川談志 一門会  2008年2月

楽しみにしていた談志さん初体験。練馬文化センター大ホール。S席4000円。

演目は立川志の吉「看板のピン」、立川談笑「イラサリマケー」(談笑版・居酒屋)、立川談春「替り目」、仲入り後にお待ちかね立川談志で「源平盛衰記」。

少し遅れて会場に入る。高齢男性が多いというのが第一印象。1500人の大きいホールなので、噺家さんの声がやけに響いてちょっと聞きづらいが、上方落語の古典「替り目」あたりから慣れてくる。酔っぱらいと車屋さんの会話のずれが面白い。

休憩後、いよいよ談志さんが登場。なんだか小さいお爺さんだなあ、と思って妙に親しみがわいた。いろいろぶつぶつ言うけれど、機嫌が悪いようでもなく。源平盛衰記は珍しい噺らしい。正蔵さんのこのごろとか、いろいろ思うところがあるのだろう。立て板に水の講談に、くだらない駄洒落やら時事的な横審の悪口などがまじる。いかにもうまい演技を見せつける内容ではないだけに、かえって聴かせる力というか、味わいが感じられた。

『源平盛衰記』  落語の噺とネコの話

志の輔らくごin PARCO2008 「異議なし!」「抜け雀」「歓喜の歌」

「志の輔らくごin PARCO 2008」 2008年1月

前から4列目の真ん中あたりという、とてもいい席で寄席気分。5500円。年配の夫婦連れが目立ち、ちょっとお祭り気分の期待感が満ちる。膝掛けを配っていた。

演目は「異議なし!」「抜け雀」、休憩を挟んでお待ちかね「歓喜の歌」。

まず「異議なし!」は、防犯カメラ設置を検討するマンション管理組合の会合の迷走ぶりを面白おかしく。年末のひったくりのニュースと、環境会議についてのマクラが巧みな伏線となっていた。次の演目へのつなぎに、なかなかまとまらない環境会議を皮肉ったビデオが流れ、時代性もたっぷり。
続いて古典で「抜け雀」。上品な美談だけれども、宿屋の主人のお人好しぶりと、雀の生き生きした感じがいい。相変わらず上手だなあ。
休憩の間に、入り口近くに所狭しと並んだDVDを買い、くじをひいてクリアファイルをもらう。

休憩後は今回、映画化記念で一カ月通しで演じるという「歓喜の歌」。テーマは大晦日に第九を歌うママさんコーラスのイベント。二つのコーラスサークルをダブルブッキングしてしまった公民館の主任のどたばたを描く。なんとか矢面に立つまいとする、主任のせこさがうまい。後半、その心持ちが変化して、精一杯誠意を尽くす様子が泣かせた。ラストに幕が上がって、実際のママさんコーラスの合唱があり、微笑ましくて満足。帰ってDVDで「歓喜の歌」の昨年のバージョンを観る。比べると主任の小市民な善人ぶりや、ちょっとした仕草などが今回、より進化していて、さすがだと思う。

志の輔らくごin PARCO 2008年1月6日  茜のとぉんと来ました
『歓喜の歌』を巡る偶然  柴犬陸ログ

「キル」

「キル」  2007年12月

NODAMAP第13回公演「キル」。シアターコクーン、9500円。

94年初演の代表作の十年ぶり公演。実は野田作品は初体験。観客は若めで、小さくまとまった空間のせいもあってか、始まる前から高揚感がある。小劇場っぽい布を多用した立体感のある舞台や、民族衣装のような風体が新鮮だ。キャストは妻夫木聡、広末涼子、勝村政信ら。

狭い舞台上に展開するモンゴルの草原の雄大なイメージ、ジンギスカンの生涯をファッション界の攻防に見立てた自由自在な言葉遊び、野田秀樹をはじめとする跳んだりはねたりの疾走感といった面白さは、評判通り。ただテレビで堤真一、深津絵里、古田新太らの97年第4回公演を観ていたので、それと比べると俳優陣はやや小粒だったか。感動というより、カタルシスのある舞台でした。

NODA・MAP『キル』   The review of Kazuki Fujita
キル    もりの日記
野田秀樹 作・演出・出演『キル』@シアターコクーン      ドンカンはツミである

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