愛宕山薪能「彦市ばなし」「一角仙人」
NHK「愛宕山薪能」 07年5月
放送博物館前広場の特設ステージ。天候が良く気持ちいい。財界人や外国人もちらほら。
狂言は「彦市ばなし」。木下順二の民話劇
を元にしていて、熊本弁や子供の仕草がひょうきんでとても楽しい。木と一畳台だけで空間を表現し、小さいクジラの作り物をひいて登場したり、客席に話しかけたり、でんぐり返しや横転があったり工夫満載。彦市は闊達な野村萬斎、殿様は野村万作、天狗の子は月崎晴夫。勘違いの連続は喜劇の基本形だと思う。
能
は金春流で「一角仙人」。太平記中の天竺の話が歌舞伎の「鳴神」の原作。ワキの勅使が素顔で説明するし、途中で幕を開いて庵の中に仙人が登場し、ストー
リーがわかりやすい。シテ・仙人と前ツレ・施陀夫人の相舞で太鼓が高鳴る感じ、後ツレ・龍神2人が登場してからの派手な立ち回りなど見所も多く、寝不足で
少し風邪気味なのに寝もしなかった。シテは櫻間金記、前ツレは井上貴覚、後ツレは正木哲司、野村雅。スピーカーを使っていたのがちょっと淋しかったけど、
楽しゅうございました!
十年以上前に一度だけ能を観たときは寝てしまったのに、私も大人になったのか。
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