「地団駄は島根で踏め」
言葉の語源が、ある特定の土地と結びついているケースは、探すと意外にあるものだ。
「地団駄は島根で踏め」わぐりたかし著(光文社新書) ISBN: 9784334034986
「語源ハンター」を自称する著者が辞書をひもとき、語源に登場する土地に足を運んで、ゆかりの事物を観て歩く。
目次の日本地図を眺めただけでわくわくしてくる。「ごたごた」の神奈川県って何だろう、「らちがあかない」の京都府って? 読んでみると実際、期待に違わぬ面白さだ。
語源の蘊蓄は満載。とはいえ著者は放送作家とあって、学術的な「日本語本」というより、好奇心満載の軽妙な旅行記になっている。語源の「現場」で古来の祭りやら、歴史上の人物にまつわる事物やらに触れるうち、普段なにげなく使っている言葉の背景に、著者なりに思いをはせていく。そんな語源ハンティングのかたわら、お約束でちゃっかり土地土地の銘菓、美味しいものを食べてしまうところも、とても楽しい。(2009・6)
地団駄は島根で踏め:語源は意外なところに はてさてブックログ