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April 25, 2026

成瀬は都を駆け抜ける

「絶対に天国からおばあちゃんも見てくれてたわ」
「だといいのだが」
 あかりの受け答えを見て、改めて成長を実感する。もっと前のあかりだったら「死んだらテレビは見られないだろう」と答えたはずだ。

「成瀬は都を駆け抜ける」宮島未奈著(新潮社)

痛快ヒロイン、成瀬あかりシリーズの3作目にして完結編。京大生になっても成瀬は相変わらず。迷いなく淡々と目標に向かって邁進し、周囲を明るく照らして爽快だ。

高校時代から成瀬を慕う西浦が、冬休みの1日、成瀬といてその多忙ぶりに舌を巻く。階段駆け上がり大会やけん玉の練習、配信出演、献血… でもマイペースなだけではない。失恋をひきずる坪井を励まし、ぼきののかのYouTubeチャンネルに出演して失策を挽回させる。そんな成瀬の成長を見守る、似たもの同士の母の感慨が泣かせます。

自身、京大文学部出身の著者が描く学生の日常もお楽しみ。森見登美彦が好き過ぎて、同好の士と鍋を囲む男子たちなど、傑作だ。これで完結は寂しいけれど、成瀬には永遠の少女でいてほしい気もする。連作6編の半分は書き下ろし。(2026.4)

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