彩は匂へど
その一門に、面白いお人がおいでとか。聞いた話では、お前様と馬が合いそうな気がいたしんす。
「彩は匂へど」田牧大和著(光文社文庫)
講談などで知られた絵師の暁雲、後の英一蝶と、芭蕉一番弟子の其角との友情を描くシリーズ2冊目。今回は出会いのエピソードで、二人が協力して、深川・芭蕉庵での投げ文騒動を解明する時代ミステリーだ。
琉球の悲劇という主題はひどく悲しく、いつになく全編が沈んでいる。琉歌と俳句を織り交ぜた謎かけも、ちょっと複雑過ぎるかな。とはいえ、才気煥発、失礼千万な若い其角と、その面白さをおおらかに受け止める一蝶の関係性は微笑ましい。(2022.7)
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