ゼロからわかる!図解落語入門
落語のネタには、泥棒の噺とケチの噺がよく出てくる。なぜかといえば、泥棒とケチの噺だけは一切苦情が来ないからだ。
「ゼロからわかる!図解落語入門」稲田和浩著(世界文化社)
今更ながら、超初心者向けの落語ガイドを読んでみた。寄席のチケットの買い方、マクラとは、古典とは、など、ごく入り口から始まって、噺に出てくる長屋の配置、噺家が名乗る代表的な亭号の解説まで、本当に親切で行き届いている。
中には日本文化の歴史に関わる薀蓄も。例えば、明治政府が国会を開設した折、速記者が圓朝の噺を速記して練習したことから、落語や講談の速記本ブームが起こり、これが二葉亭四迷ら言文一致に影響したそうです。一貫して、お説教臭くない語り口で読みやすい。著者は1960年生まれの大衆芸能脚本家。
巻末のデータも充実していて、定期的な落語会や噺家一覧は手がかかっている。柔らかいタッチのイラストは小野寺美恵。(2018・7)
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