親が倒れた日から、いつかくる…その日まで。
自分が驕っているから、腹が立つのかもしれない。そう思いながら、何度もクールダウンしていました。
「親が倒れた日から、いつかくる…その日まで。 かぶらぎさん家のケース」かぶらぎみなこ著(TOブックス)
69歳の父が突然、脳梗塞で倒れてから5年間の家族の苦闘を、同居する長女のイラストレーターが綴ったコミックエッセイ。介護の体験記は数多く、かえってあまり読まずにきたけれど、知人に勧められて手にとった。本業の可愛いイラストと、簡潔な文が読みやすい。
お父さまの病状はかなり厳しくて、もともと持病で長年、透析を受けているうえ、脳梗塞の後遺症が加わる。緊急入院、自宅のリフォーム、自宅での世話、様々な介護サービスの利用…と、怒涛のような目の前の事態に、手探りで次々に対応していく日々だ。
それでも辛さの吐露は最低限。読者の参考になるようにと、具体的な実務をテキパキ語る。そしてどんなシーンにも、少しのユーモアが滲み、著者の人柄が感じられる。
ブログをまとめたもので、発刊の2015年春には、74歳になったお父さまは入院中。けれど読み終わってブログをのぞいてみると、2016年6月に亡くなられ、更新が止まっていました。最後まできめ細かな記述。ご本人もご家族も、本当にお疲れさまでした… (2016・9)