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October 26, 2014

非線形科学 同期する世界

ばらばらに揺れていた二つの振り子時計の振り子が、互いに示し合わせたかのように、やがてぴったりと歩調を揃えることに気づいて、アイザック・ニュートンと同時代の偉大な科学者クリスチアーン・ホイヘンスは驚嘆しました。時計はなぜ互いを「知って」いるのか?

「非線形科学 同期する世界」蔵本由紀著(集英社新書)

同期現象を研究してきた京大名誉教授による、一般向け解説を読んでみた。世の中でみられる、複数の事象が協調する現象の不思議。

時計やろうそくの火あたりはともかく、大勢が橋の上を歩くリズムや拍手まで同期していくとなると、素人には正直、なかなかすっと理解できない。
しかし生命現象のような入り組んだシステムを動かすとき、中央でのコントロールより負担が軽い「自律分散制御」に、同期の概念が役立つという説明を読むと、その重要性に気づかされる。

同期の発想が、ロボットや信号ネットワークなどに応用され、展開していくのが楽しみだ。科学ノンフィクションは普段なかなか手が出ないし、一般向けの新書でも読み通すのにひと苦労なのが我ながら情けない。だけど理解不足ながら、視野が広がるような快感があるなあ。(2014・10) 

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