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February 04, 2011

「平穏死」のすすめ

最後の一週間は口を湿らすだけでした。ひ孫さんまで三世代のご家族がおばあちゃんの部屋一杯に詰めかけていました。最期まで皆でテレビを見ながら過ごしていたのでした。

『「平穏死」のすすめ』石飛幸三著(講談社) ISBN: 9784062160148

特別養護老人ホームの常勤医である著者が、超高齢社会の現実と安らかな最期について考える。

お年寄りを意識したのだろう、大きめの文字を使い、平易な文章で、特養ホームでの経験を綴っている。長い人生を生き抜いたとして、いったい私たちがどんな状態になるのか、どんな治療やケアがありうるのか。誰の身にも、また誰の家族の身にも起きうる、ひとつの最期の日々のかたち。まずは現実を、できるだけ具体的に知ることの大切さが、ひしひしと感じられる。

著者が説く、あるべき「看取り」を、すんなり受け入れられるかというと、そこは正直、簡単ではない気がする。医療と介護の財政事情、個々の病院や施設の経営、現場のプロたちに今できることと、できないこと。

そしてなにより本人と家族にとっては、それこそ命の数だけ、多様な思いがあるはずだ。いったん決めたらきっぱり、というより、日々揺れ動くのではないか、とも思う。だからこそ、簡単には結論に達しなくても、誰もが知って、考えておくべきテーマなのだ。「その時」に直面したら、考える時間はそれほどないかもしれないのだから。(2011・2)

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