そういうものだろ、仕事っていうのは
「体が温まったら、休む元気も出てくるさ」
「そういうものだろ、仕事っていうのは」重松清、野中柊、石田衣良、大崎善生、盛田隆二、津村記久子著(日本経済新聞出版社) ISBN: 9784532171049
「働く」を共通テーマに、6人の人気作家がリレーした短編集。
同じテーマで、こうも違うかと言うぐらい、それぞれの個性が出ていて面白い。重松さんは定年後、よりによって駅の立ち食い蕎麦屋に再就職した(というかアルバイト)父に対する、息子の複雑な思いを、丹念に描いていてホロリとさせる。かと思えば津村さんはごくごく普通のカイシャの、半径5メートルの人間模様をコミカル、かつ的確に描き出して痛快。
味わいは違うけれど、必ずどこかに共感のタネがしこまれている感じだ。日経電子版掲載の小説シリーズ第1弾。(2011・2)
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