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February 06, 2010

「白馬山荘殺人事件」

ところで頼みがある。しらべごとをしてほしいのだ。妙なことと思うだろうがふざけているわけじゃない。おれは真剣だ。しらべごとというのは、「マリア様が、家に帰るのはいつか?」ということだ。

「白馬山荘殺人事件」東野圭吾著(光文社文庫) ISBN: 9784334711221

謎の頼みごとを書き残し、旅先で自殺した兄。疑問をぬぐえず、そのペンションを訪れた妹ナオコと親友マコトは、新たな事件に遭遇する。

ずっと放置していた古い文庫を、ふと思いたって読んだ。なんと86年にカッパ・ノベルスとして発行された著者の長編第3作。90年初版の文庫版解説(権田萬治氏)では、「本格派の旗手」と紹介されていて時代を感じます。
実際、本作のお膳立ては山間のペンションに集う常連客、密室、マザーグースの詩を駆使した暗号、女子大生探偵と、ミステリファンへのサービスがたっぷり。楽しく、あっという間に読めた。
お約束のミステリ要素をわざとらしく感じさせない筆力や、2段構えになった謎解きの緻密さには、すでに現在のヒットメーカーの片鱗があるんじゃないでしょうか。結末のほろ苦さ、登場人物の意外な「正体」も、さりげなくて巧いなあ。(2010・2)

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Comments

こんにちはっ。
この作品は、二番目に読んだ東野作品です(最初は『卒業』)。
もう随っ分前、読んだのはカッパノベルスだったと思いますが、かなり好印象だったことを覚えています。
当時は東野は万年初版作家といわれ、迷走してた頃じゃなかったかな…。
久しぶりに再読してみたくなりました。

b.k.ノムラさん、こんにちはっ。
いや、ホントです。「鳥人計画」があり「秘密」があり、「白夜行」があり「容疑者X」があり。そして今読むとまた、なるほどと思っちゃいます…

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