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August 04, 2009

「日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか」

自分に自信があったか、という項目に対して、小学校の低学年にして、ほとんどない、につけてしまう状況というのは、非常に心配で、紙を見ていると、一人一人、「この子は大丈夫なのかな、どんな子なのかな」と、思わず関わりたくなってしまいます。

「日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか」古荘純一著(光文社新書) ISBN: 9784334035068

児童精神科医が子供たちのQOL(生活の質)の実態を探るべく、小中学生約8000人らに対して調査を実施。その回答から浮かび上がった、彼らが感じている「幸福度」の惨憺たる状況を報告する。

普通の小学一年生が、外来を訪れて「僕は疲れているんです」とつぶやく現代ニッポン。子どもに心身の調子や学校、家庭などに対する満足度を尋ねてみると、ドイツやオランダでの同様の調査と比べて明らかに低いのだという。著者が特に注目するのが自尊感情。長所短所すべてをひっくるめて、自分のことを自分自身で考えるという感情の乏しさだ。

自尊感情が目立って低い子どもの場合は、背景に何らかの障害やいじめ、虐待などが隠れている可能性があり、QOL調査はそうした問題を早期に発見する一助となる。もっとも全体的な水準の低さの陰には、親や教育現場のゆとりの乏しさなど、広くて根深い問題が潜んでいるのではないか、と著者は危ぐする。閉塞した状況にいる子どもたちに対して、大人はどんなふうに手を差し伸べることができるのだろうか。
調査の解説にウエートがおかれており、具体的な事例の紹介や考察は一般的なものにとどまっている感じはあるものの、考えさせる1冊。(2009・7)

 古荘純一『日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか』(光文社新書) 7点  山下ゆの新書ランキング

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