「差別と日本人」
差別は、古い制度が残っているからあるのではない。
「差別と日本人」野中広務、辛淑玉著(角川oneテーマ21) ISBN: 9784047101937
対談だけれど、どちらかというと辛さんが野中さんに詰め寄っていく感じ。あの事件が勃発したとき、野中という政治家はどう感じたのか、はたまた、あの問題が国会で取り上げられているとき、どう決断したのか。そして一つひとつの事件、政治課題について辛さんが解説を加えていく。
野中さんはたぶん、そう簡単に舞台裏を明かしてはいない。長く保守政治家として生きて、「落としどころ」を探り「ことを収める」技術の、ある意味で最高峰を極めた人といえるだろう。それでもできる限り、真摯に答えようとしている感じはある。
知らないこと、気づかないことが沢山ある。それはある面、致し方ない。けれどやっぱり、ややこしいからと言って知らずにいること、気づかずにいることは罪。そう思えるかどうかが第一歩だという気がする。この対談の終盤はきっと涙なくしては読めない。だが、泣いている場合はない。(2009・7)
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