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July 04, 2009

「ミレニアム2 火と戯れる女」

多くの人々の考えとは裏腹に、リスベットは真に道徳的な人間だとパルムグレンは確信していた。問題は、彼女なりのモラルが、法律で定められているモラルとは必ずしも一致しないということだ。

「ミレニアム2」スティーグ・ラーソン著(早川書房) ISBN: 9784152090195 ISBN: 9784152090201

人身売買の実態を告発しようとしていた月刊誌「ミレニアム」を悲劇が襲う。やがて明らかになっていく、女性調査員リスベットの驚くべき過去。

大評判ミステリ3部作の第2部上下巻は、期待を上回る面白さ! 第1部はエンタメ要素がてんこ盛りだった。それはそれで面白かったけど、今回はリスベットの危機と、背景にある陰謀に的を絞っていて、スケールの大きいサスペンスとアクションがぐいぐい加速していく。特に、黒幕らしき謎の人物ザラの不気味さが、映画に出てくる「カイザー・ソゼ」を彷彿とさせ効果的。

第1部に増して、誇り高い野獣リスベットの魅力が異彩を放つ。導入部で、第1部の事件のあと、不器用ながら自分の手で人生を再構築しようとするリスベットの姿が丹念に描かれる。ちょっとかったるいかなあ、とも思うんだけど、この描写が終盤になって、とても切なく感動的なシーンにつながるところが、うまい。
ミレニアムの発行責任者、ミカエルは相変わらず頭に来るほど女たらし。これが北欧感覚というものなのかな。とはいえミカエルを含めたリスベットの数少ない理解者たちの、人の心の真実を信じる気持ちが強靱に物語を支えているのは確かだ。小ネタでは、リスベットが愛してやまない数学のエピソードがお洒落。

やっぱり登場人物の名前はあんまり覚えられないし、地名も思わず飛ばし読みしちゃうし、「キルビル」まがいの、かなり荒唐無稽な展開もありますが、もう面白いから許す。リスベットゆかりで、まだ消息のわからない人物がいるから、第3部はそのへんが明らかになるのかな。楽しみー。ヘレンマルメ美穂・山田美明訳。(2009・7)

「ミレニアム2火と戯れる女<上><下>」 マイペース魔女の読書日記

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