「スーパーの裏側」
「いつ行っても在庫がいっぱいある店」はもうやめましょう。ぜひ、「売り切れる店」で買い物をしてください。
「売り切れ御免」
じつにいい言葉ではありませんか。
「スーパーの裏側」河岸宏和著(東洋経済新報社) ISBN: 9784492222973
ハム・ソーセージや卵の製造、スーパー、コンビニの現場を見てきた著者が明かす、食品流通の裏。
「朝どれ」とあっても「今日の朝どれ」とは限らない、解凍した日、パックし直した日が「製造日」…。ほかにも再加工や使い回しなど、著者が目にしたという、法律には触れない「ごまかし」の事例が数々語られる。
背景にあるのは朝から夜遅くまで、何時に行っても棚に商品がたくさん並んでいることを当たり前と期待するような、消費者の行動だ。しかも、スーパーが食品を安く売るには、調理場などの人件費を抑える必要もある。
便利で安価な加工食品、総菜などに慣れた私たちが、それなしに暮らしていくことはもはや現実的ではない。とはいえ、どういう売り場、どういう食品がより自然なのかに思い至る、感度は失いたくない。書かれていることがどこまで一般的なのかはわからないけれど、あっという間に読めて、なかなか興味深い一冊。(2009・4)
「スーパーの裏側」ちょっと考えた 本の話がメインのつもり
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