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February 25, 2009

「婚活」時代

たったここ数年で、男性が女性に年収を求めるとはっきり言えるようになりました。問題は、それに代わって、日本の男性が提供してくれるものが、女性にはまだ見えてこないことです。

『「婚活」時代』山田昌弘、白河桃子著(ディスカヴァー携書) ISBN: 9784887596238

「パラサイト・シングル」で知られる家族社会学者の背景分析と、「キャリモテ」女性ライターの実態ルポで解き明かす現代結婚事情。

手練れの筆者ふたりのタッグとあって、「出会い格差」とか、「逆狩猟時代」とか、思わず口にしたくなるキーワードがいっぱいだ。鍵となるフレーズがゴチックにしてあって、そこを拾いながらすいすい読める。結婚が必須でなく、いわば嗜好品になり、経済環境の変化が加わって「希望格差」が顕在化し…という未婚現象の解説は、言ってみればお馴染みのもの。本書ではそれに続けて、今や結婚は就職活動のように、ノウハウとツールを駆使して取り組むべきもの、と力説する。

男性はもっと自分を磨いて、経済力とコミュニケーション力を養え、一方、女性はもう自分磨きは十分だから、外に出て出会いを求めろ、という叱咤激励は、ちょっと単純にも思えるけどわかりやすい。(2009・2)

February 22, 2009

「戦争サービス業」

民間軍事会社については責任性も監督も報告義務も透明性もなにひとつ法律で決められたものはないし、だから情報請求権もないのだ。

「戦争サービス業」ロルフ・ユッセラー著(日本経済評論社) ISBN: 9784818820166

イタリア在住のドイツ人ジャーナリストがまとめた、「新しい傭兵産業」の実態。

作家、奥泉光氏が書評で推薦していたノンフィクションを読む。おどろおどろしい陰謀ルポではなく、淡々とした論文調で、民間軍事会社の問題点を順序よく説き明かしている。

何かと効率的だといわれる民間委託が、軍事活動においては必ずしもコスト抑制になっていないこと。堂々たる上場企業やそのグループでありながら、民間軍事会社の公開情報は決して十分でなく、なにより通常の軍事力とくらべて法の統制が届かないこと。さらには、世界の様々な地域での内紛と、資源をめぐる国家や多国籍企業の思惑、そこに民間軍事企業がどういう役割を果たしているかについて、丁寧に語る。
現代の戦争というものの、複雑な構造を知る一冊。下村由一訳。(2009・2)

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