「市民と武装」
結局のところ、カレンが諸民族の統合の絆として考えたのは、諸民族の独自性を許容するアメリカ民主主義の伝統であり、そのような民主主義国家への忠誠心であった。彼の狙いはエスニック文化の正当化にあったのだが、結果として、民族的多様性を調和させるために、国家の政治的統一力を導入しなければならなかったのである。
「市民と武装」小熊英二著(慶應義塾大学出版会) ISBN: 9784766411003
近代日本研究で知られる社会学者のアメリカ論。
バトンルージュ事件、湾岸戦争を踏まえて1992年から93年に書かれた論考。米国でなぜ銃規制が進まないのか、また米国はなぜ「世界の警察官」たらんとするのか、という角度から、その複雑な社会の成り立ちを読み解いた。2004年の出版に合わせて、補論を加えている。
短く端正な文章。比較的気軽に読めるが、刺激に富む。著者が着想を得たという、戦時公債キャンペーンのポスターなどが興味深い。(2008・10)
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