« 「すべてがFになる」 | Main | 「ぐらり!大江戸烈震録」 »

October 11, 2008

「市民と武装」

結局のところ、カレンが諸民族の統合の絆として考えたのは、諸民族の独自性を許容するアメリカ民主主義の伝統であり、そのような民主主義国家への忠誠心であった。彼の狙いはエスニック文化の正当化にあったのだが、結果として、民族的多様性を調和させるために、国家の政治的統一力を導入しなければならなかったのである。

「市民と武装」小熊英二著(慶應義塾大学出版会)  ISBN: 9784766411003

近代日本研究で知られる社会学者のアメリカ論。

バトンルージュ事件、湾岸戦争を踏まえて1992年から93年に書かれた論考。米国でなぜ銃規制が進まないのか、また米国はなぜ「世界の警察官」たらんとするのか、という角度から、その複雑な社会の成り立ちを読み解いた。2004年の出版に合わせて、補論を加えている。
短く端正な文章。比較的気軽に読めるが、刺激に富む。著者が着想を得たという、戦時公債キャンペーンのポスターなどが興味深い。(2008・10)

« 「すべてがFになる」 | Main | 「ぐらり!大江戸烈震録」 »

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「市民と武装」:

« 「すべてがFになる」 | Main | 「ぐらり!大江戸烈震録」 »