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January 04, 2008

「勝利」

かんばしくない評判はどうであれ、彼はまちがいなく私を救ってくれたのだし、私は一種風変わりな意味で、彼がかほど手助けしてくれたことに誇らしい気持ちを味わった。
 彼は、私が一人で何とかなるのを見届けると、鋭い目つきで私の目を見つめた。私がそこに見たのは、友情とまではいかないが……ある意味で……一種の認知だった。

「勝利」ディック・フランシス著(ハヤカワ・ミステリ文庫) ISBN:9784150707408 (4150707405) 

大障害レースの落馬事故で、一人の名騎手が命を落とす。死の直前に一本のビデオテープを託された親友のガラス工芸家ローガンは、なぜか強盗に襲われる。

旅行のお供にと、積読の山から持参して、さくさく読んだ。競馬シリーズ39作目、そして高齢の著者が一時引退を宣言した節目の一冊である。と同時に、私個人としてはシリーズでほとんど著者同様の存在である、菊池光氏の翻訳最終作。
このコンビによる独特の「フランシス節」を、福井健太氏が解説で「職人の仕事」と描写していて、まさにそんな感じ。ストーリーは、まあ地味なんだけれど、自らの知性とかタフさに誇りをもって階級社会を生き抜く登場人物たちと、そんな「プロ同士」が短いやりとりで互いを認め合うシーンが印象的だ。
それにしても目標のシリーズ再読、いつになることやら…(2008・1)

ディック・フランシス全プレイバック  全読書リプレイ

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