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November 26, 2007

「珍妃の井戸」

紫禁城の後宮には、中華皇帝をいつでも殺すことのできる人間がおり、理由と、方法とがある。まるで金色の波のように幾重にもうち続く壮大な宮殿の甍を思い出して、ソールズベリー卿はほんとうに青ざめた。

「珍妃の井戸」浅田次郎著(講談社文庫)  ISBN:9784062750417 (4062750414)

義和団事件で混乱する北京で、皇帝の寵愛を受けたひとりの妃が命を落とした。誰が珍妃を殺したのか。列強の高官4人が探索を始める。

「蒼穹の昴」から「中原の虹」に至る歴史ロマンの番外編的な一編。ミステリーの形式で、食い違う関係者の証言をつないでいく。
歴史の真実というものは、見るものの立場、思いによって変わる。そのことを、リアルな人物像を通して、くっきりと浮かび上がらせている。証言する人物たちは誰一人として、先入観通り、評判通りの人物ではない。裏切られる楽しさで、一気に読める。

それにしても、これを読んでから故宮に行けばよかった!(2007/11)

「珍妃の井戸」浅田次郎   Ciel Bleu

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