「周極星」
「そうかもしれないな。この国が抱える膨大な人口は、すべてを内包して、問題の先送りを可能にする、無尽蔵のショック・アブソーバーみたいなものかもしれん。それと同時に、その反面、最大の火薬にもなり得る危険を孕んでいる」
「周極星」幸田真音著(中央公論社) ISBN:4120037304
上海を舞台に繰り広げられる金融ビジネスの駆け引き。
舞台であるはずの中国経済が、現実の変化と相まって主役に躍り出て、得も言われぬエネルギーを発散している。その分、登場人物の幼い頃からの因縁とか、日中二つの故郷とか、そういう筋立ての魅力はかなりそがれる印象がして、時代とわたり合う経済小説の難しさを感じさせる。(2006・12)
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