「赤い指」
何とかしてやりたいと思いつつ、何も出来ない日々が続いた。諦めているのか、春美や政恵が泣きついてこないので、それをいいことに彼女らの苦労から目をそらしていた。
「赤い指」東野圭吾著(講談社) ISBN:4062135264
互いの関係が冷え切ってしまった前原家に起きる、ある事件。練馬署・加賀刑事の捜査で、崩壊と再生の一日が始まる。
テーマは親子。あえて例えれば、導入は重松清のような深い闇。そして終盤は、横山秀夫のような劇的展開をみせる。
題材はひとつの事件、流れる時間もほんの二日だ。民家と公園、病室という舞台劇のように限られた空間に、それぞれの身勝手さと、そこに至る個人史を詰め込んだ筆力はさすが。
クライマックスはかなり強引な気がする。そのせいか、この一冊を完成した物語として味わうというより、何か別の物語の助走となる、そんな感触をもった。安らぎと幸せの象徴である、「父が残した古い畳」が哀愁を誘う。(2006・10)
TrackBack
Listed below are links to weblogs that reference 「赤い指」:
» 赤い指/東野圭吾 [心の音]
赤い指
出版社 / 著者からの内容紹介
直木賞受賞後第一作。構想6年の後に書きあげられた書き下ろし長編小説、ついに登場! 身内の起こした殺人事件に直面した家族の、醜く、愚かな嘘に練馬署の名刑事、加賀恭一郎が立ち向かう。ひとつの事件を中心に描き出されるさまざまな親子像。東野圭吾にしか書き得ない、「家族」の物語。
『放課後』でのデビューから数えてちょうど60冊目にあたる記念碑的作品。 ... [Read More]
» 赤い指 [読書三昧]
赤い指
東野 圭吾
東野圭吾の新刊が出るって聞けば、やっぱり読まなきゃな。
しかも加賀恭一郎モノっていえば、はずせないでしょ。
ってことで発売日にいろいろと書店を回ったがなぜか置いてない。
ここが僻地のせいか??
ということで数日かけてようやく手に入れたものを早速読みはじめた。
やっぱりこの人、じょうずだねぇ。
なんていうのかな。家族間の憎愛が気分悪いほどにじみ出ている。
どうしようもないバカ息子の犯罪を隠すため必死になるバカ親。
そしてそれを恐ろしいことに転嫁しよう... [Read More]
Comments