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June 19, 2006

「迷走する家族」

つまり、「豊かさ」をめざすことが戦後家族のアンデンティティである限り、家族は、これらの豊かさの象徴を追求し、手に入れることが求められる。それゆえ、家族生活の経済的負担は、雪だるま式に増えていく。

「迷走する家族」山田昌弘著(有斐閣) ISBN:4641173125

「パラサイトシングル」や「希望格差」を鮮やかに論じてきた社会学者の、今の時点での集大成といえそうな家族論をコンパクトに読むことができる一冊。

内外の著作のエッセンスも散りばめながら、戦後の「幸せな家族モデル」がどのように形作られ、どう揺らいできたかをたどる。そういう視点でとらえると、現在の少子化は、とりあえずの結婚・出産の先送りという修正の一形態だというわけだ。ところがグローバル化とITに象徴される「ニューエコノミー」の浸透、そして人生の選択の「個人化」によって、そろそろ、そうした修正も限界に達してきた。最終章では短く対策に言及しているが、それよりも家族の変質に対する強い危機感を前面に出している。経済、社会はおそらく後戻りできず、だとすれば家族の役割も再構築していくしかないのだろうが…(2006・6)

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