「しみったれ家族」
自分は中流でなくなったと勝手に思いこみ、じゃあ自分は何だと考えたところ、よくわからない。わからないのは自分の名前がないようなものだから、さらに不安になる。じゃあ自分は負け組で、新しい階層社会が始まったと妄想し、自分でラベリングしたくせに、そのせいでさらに落ち込む……。
「しみったれ家族」畸人研究学会著(ミリオン出版・大洋図書) ISBN:4813020208
100円ショップやファミリー居酒屋などで観察した「平成新貧乏」の生態を、雑誌対談形式などで軽く辛辣に綴る。
「プラモデル進化論」(イースト・プレス)などの今柊二と「ダニの生活」(新風舎)などの黒崎犀彦の共著。無理をして郊外に家を持ち、切りつめた生活をしている「張り子のトラ」。食にも住にもメリハリがない、深夜ディスカウントショップ族…。長期不況を背景にしたライフスタイルの分析は一部、景気回復期の現実と合わなくなりつつあるが、底流にある「精神の貧困こそしみったれ」という視点は意外に古びていない。どんな家族であれ、子世代の教育には手を抜かないでほしい、学び続けることこそが明日につながるのだから、という主張は、至極まっとうだ。(2006・1)
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