「震度0(ゼロ)」
大地なんて脆いもんだ……。
警察組織も同じだと思った。日頃は「一枚岩」を装っているが、ひと揺れくればこのざまだ。
「震度0(ゼロ)」横山秀夫著(朝日新聞社)ISBN:4022500417
大震災の朝、人望厚いN県県警幹部が姿を消した。失踪か、事件か。組織内部の暗闘が始まる。
舞台劇のような筆運びで、幹部同士の裏工作や駆け引きが続く。組織を守るためと自分に言い訳をしながら、その実、男たち、妻たちを突き動かすのは見栄と保身、権勢欲だ。エゴならエゴでいい。悲しいのは、知力と権謀を駆使して上手に立ち回れば立ち回るほど、虚しさだけが手のひらに残るという事実だ。かなり長く重苦しさが続く展開ゆえか、ファンの採点には比較的辛いものが目立つようだが、希望について、決して多くを語らない、これもまた横山ワールドなのだろう。(2005・12)
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» ◎「震度0」 横山秀夫 朝日新聞社 1890円 2005/7 [「本のことども」by聖月]
震度0
横山 秀夫 / 朝日新聞社
スコア選択: ★★★★
昨年2004年の4月で、前の職場(鹿児島市)を辞め、単身で上京してきた評者なのだが、実は前の職場にいる間、二つの公職に就いていたことを先に報告しておこう。
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◎ 『陰の季節』 既読書評なしm(__)m
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◎◎ 『顔-FACE-』
◎ 『深追い』
◎◎ 『第三の時効』
○ 『真相』
○ 『クライマーズ・ハイ』
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◎ 『看守眼』
◎◎ 『臨場』
◎◎ 『出口のない海』
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» 横山秀夫 『震度0』 警察小説の進化?退行ではないのか [日記風雑読書きなぐり]
県警本部のトップクラスがここまでノワールな人間の寄せ集まりではないだろう。だが、現に神奈川県警の不祥事もみ消しが頻発しているところ、道路公団の官製談合などを毎日聞かされるとやはり役人たちは腐敗しているのかなと。
大震災の朝、一人の県警幹部が失踪した。県警事情に精通し、人望の厚い不破がなぜ姿を消したのか?県警幹部の利害と思惑が錯綜する。ホステス殺し、交通違反のもみ消し、4年前の選挙違反事件なども絡まり、保身と野心、激しい内部抗争を背景に密室劇の幕が開く
登場人物は6人。N県警察本部のナ...... [Read More]
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本日ひさびさにチャット会を開催します。
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いやぁテレビドラマの「家政婦は見た」を思い出しましたよ。おもしろいから欠かさずみるドラマなんです。
Posted by: よっちゃん | December 06, 2005 10:56 AM