「街角の事物たち」
ここで1から5までの順番は、より重要と思われる破調のパターンから、そうでないものへの順番になっていると読んでほしい。Aの増音破調でいえば初句増音がもっとも裏切り感を惹起しやすく、二句増音はもっともその効果がうすいということである。
「街角の事物たち」小池光著(五柳書院)ISBN:490601044X
今年茂吉賞、迢空賞をダブル受賞した歌人の評論、エッセイ集。
恥ずかしいが短歌をほとんど読んだことがない。ところが無知は無知なりに楽しめる平易さ、明晰さ。著者は理科、数学の高校教師でもあるそうで、教える立場からくる優しさなのだろうか。男性限定の教室を開いている世間との向き合い方も、何か気になる。私ごときが近寄れる世界ではないと痛感しつつ、もっとエッセイを読んでみたいような…(2005・8)