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May 29, 2005

「太りゆく人類」

世界のどこをさがしても、肥満に免疫のある文化はない。世界保健機関(WHO)は、過食こそが世界で「もっとも急速に広がる栄養失調の一種」であると警告する。

「太りゆく人類」エレン・ラペル・シェル著(早川書房)ISBN:4152085096

米国のジャーナリストが追及する肥満の実情。
冒頭に描かれる「胃のバイパス手術」の模様がショッキングだ。人工的に食欲を抑えようとする施術は、暴力さえ感じさせる。それほどに、人と太り過ぎとの戦いの最前線は熾烈ということか。肥満遺伝子の存在を突き止めようとする科学者の競争や、南の島に押し寄せる飽食の現実など、一見ばらばらなルポが共通して描き出すのは、人を必要以上に太らすことも、必死に痩せようとすることも、様々なビジネスと密接に結びついているという現実だ。個人の努力でライフスタイルを修正することは、容易ではない。小手先の医療費削減の論議をするなら、何か先に、もっと抜本的に考えることがあると思わせる一冊。栗木さつき訳。(2005・5)

太りゆく人類―肥満遺伝子と過食社会 ハヤカワ・ノンフィクション

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 1.始めに 9月最後の日曜日(9月25日)を直前にして、世界保健機構(WHO)は心臓病や脳卒中などの原因となる肥満が世界の国々に急増していると警鐘を鳴らしました。なんと、60億人余りの世界の人口のうち、10億人以上が太りすぎているというのです。普段か...... [Read More]

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