「ニート」
メニューにあまりにたくさんの品書きが並んでいると、ついついお店の「おススメ」を注文してしまうのと同じように、困った挙句、誰かが発するお決まりの情報源に、みんな飛びつく。多様化なんていっても、結局、多くが同じような選択をしている。そんな画一的な状況にちょっとでも疑問を感じてしまったが最後、こんなことでいいのかと悩み、選択できなくなる人も出てくる。そこからニートは生まれる。
「ニート―フリーターでもなく失業者でもなく」玄田有史、曲沼美恵著(幻冬舎)ISBN:4344006380
労働経済学者とフリーライターが、インタビューと考察で追いかける、働かず学ばない若者の実像。
40万人という数だけが問題なら、ニートはもっぱら経済やら政治やらが扱うべき問題だろう。しかし著者はむしろ、文学のような、哲学のようなテーマを問いかける。現代の経済や社会の状況が、まだ名前を持たない個人の心の中の「何か」と結びついて、今に至っている、そんな予感。職業教育の必要性などを声高に主張するだけでなく、もう少し、考える時間が必要だと思わせる一冊。(2005/1)
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