« 「陰の季節」 | Main | 「停電の夜に」 »

January 23, 2005

「ニート」

メニューにあまりにたくさんの品書きが並んでいると、ついついお店の「おススメ」を注文してしまうのと同じように、困った挙句、誰かが発するお決まりの情報源に、みんな飛びつく。多様化なんていっても、結局、多くが同じような選択をしている。そんな画一的な状況にちょっとでも疑問を感じてしまったが最後、こんなことでいいのかと悩み、選択できなくなる人も出てくる。そこからニートは生まれる。

「ニート―フリーターでもなく失業者でもなく」玄田有史、曲沼美恵著(幻冬舎)ISBN:4344006380

労働経済学者とフリーライターが、インタビューと考察で追いかける、働かず学ばない若者の実像。
40万人という数だけが問題なら、ニートはもっぱら経済やら政治やらが扱うべき問題だろう。しかし著者はむしろ、文学のような、哲学のようなテーマを問いかける。現代の経済や社会の状況が、まだ名前を持たない個人の心の中の「何か」と結びついて、今に至っている、そんな予感。職業教育の必要性などを声高に主張するだけでなく、もう少し、考える時間が必要だと思わせる一冊。(2005/1)

NEET

« 「陰の季節」 | Main | 「停電の夜に」 »

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「ニート」:

» 若者にもっとコミュニケーションを(「ニート」) [読みたい放題の一日]
 最近、メディアや一般的な会話の中でニートという言葉が登場するようになった。ニートとは何か。ニートとは筆者によると、職を探すこともなく、働く意欲のない人々をさす... [Read More]

» 若者にもっとコミュニケーションを(「ニート」) [読み読みちゃん]
著者: 玄田 有史, 曲沼 美恵 タイトル: ニート―フリーターでもなく失業者でもなく  最近、メディアや一般的な会話の中でニートと言う言葉が登... [Read More]

» ニート フリーターでもなく失業者でもなく [ついてる日記]
ニート フリーターでもなく失業者でもなく 玄田有史、曲沼美恵 幻冬舎 このアイテムの詳細を見る  ニート(NEET)とは、Not in Educatin, E... [Read More]

« 「陰の季節」 | Main | 「停電の夜に」 »