「図書館の神様」
「一応しなくてはいけないことは終わったので、今日は川端康成について調べたいのですが、よろしいですか」
「どうぞ」
冗談で言っているのかと思いきや、垣内君は本当に川端康成の本を開き、読み始めた。本気で文学をやりたいと思う高校生がいることにも、川端康成を進んで自ら読む若者がいることにも度肝を抜かれる。
「図書館の神様」瀬尾まいこ著(マガジンハウス)ISBN:4838714467
バレーボール一筋の少女時代を過ごしたスポーツ好きの清(きよ)が、勤務した高校で思いがけず文芸部の顧問となり、たった一人の文学少年の部員、垣内君と、海の見える図書室で一年を過ごす。
軽妙な会話のつながりで、一人の女性の心の成長を描く。近しい人の死や道ならぬ恋は、ひょっとしたらこんな風に、日常に潜んでいるものなのかもしれない。欠点だらけの主人公をはじめ、登場人物がみなとても魅力的。三浦しをんのエッセーを読んだときのように、弟が欲しくなる。(2004/12)
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友達に「きよ」って呼ばれている子がいたんです。今も友達ですが。
1行目読んで主人公の名前が「清」だったんで、
その友達にこの本を贈ってやりました。なんとなく「センセイの鞄」も同封しました。
つうかその子誕生日でもなんでもないんだけどさ。贈りたくなって...... [Read More]
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瀬尾さんの本は読んだのがこれで2冊目。
特に文学に興味がないまま、高校の国語講師かつ文芸部顧問になってしまった主人公清(きよ)と、唯一の文芸部員の垣内君とのやりとり。清が次第に文学の魅力を知っていく、その過程は、本好きでない人にもぜひ読んでもらいたいなあ、と思った。
そして、抜け道のない恋愛の相手、浅見さんとの付き合いから別れ。深く訴えてくるものがあって、泣きながら読んでしまった。
過去のつらい経験、複雑な思い、とてもシリアスなテーマなのに、重くないタッチで、だからこそ、すごくずしんと響いてく... [Read More]
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【図書館のちょっとカビ臭い匂いって結構好きだ!】
私、早川清(きよ)は高校の国語講師で文芸部の顧問。
垣内君は文芸部のたった一人の部員でもあり部長でもある。
拓実は清の一つ違いの弟。
浅見さんは清の恋人でもあるが、他人の夫。
「図書館の神様」・・....... [Read More]
COCO2さん、こんばんは♪
活字中毒日記のトラキチです。
瀬尾さんの『図書館の神様』トラバさせていただきました。
瀬尾さんも近い将来、直木賞の候補になるであろうという期待と希望を持って応援しています。
心が浄化されますよね(^。^)
新刊グランプリ!へのご投票ありがとうございました。
どんどんエントリー作品アップしていきますので少しでもご参考となれば幸いです。
あと、直木賞のアンケート読まれてる読まれてない気にせずに一票投じていただけたら嬉しく思います。
Posted by: トラキチ | January 10, 2005 12:39 AM