「野中広務 差別と権力」
利害の異なる集団の境界線上に身を置くという意味では、彼の政治スタンスは、中央政界入りしてからもまったく変わらない。
「野中広務 差別と権力」魚住昭著(講談社)ISBN:4062123444
九〇年代の混乱期、陰の総理と呼ばれた政治家の評伝。
政治とは、異なる立場を駆け引きと貸し借りでまとめていく妥協の芸術。きれい事でなく、時に敵と手を結びながら一歩一歩権力の階段を登っていく半生の物語は、圧倒的な迫力だ。だからこそ、頂点の一歩手前で挫折したようにみえる姿が、戦後日本の闇、矛盾を象徴するようで悲しい。凄まじい取材の執念と、それでもなお暴ききれない心の謎が余韻を遺す。講談社ノンフィクション賞受賞。(2004/11)
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Comments
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とみきちと申します。はじめまして。
トラックバックしていただいたので、初めておじゃましましたが、選書の傾向がとても似ていて驚きました。『血と骨』は、映画化されて注目されましたね。以前読んで、強烈な印象が残っています。
今は、魚住の『特捜検察』を読んでいます。過去のことながら、読んでいてどきどきします。
Posted by: とみきち | December 12, 2004 11:13 PM