「出口のない海」
審判を買って出たマスターが右手を高々と上げた。
「プレイボール!」
ドッと沸いた。マスターが涼しい顔で敵性語をグラウンド中に響かせたからだ。
「出口のない海」横山秀夫著(講談社)ISBN:4062124793
人間魚雷「回天」に乗り込むことを選んだ、元甲子園球児らの青春。
96年マガジン・ノベルス・ドキュメントの同名作品の改稿。海の特攻というものの歴史がわかる。著者らしい感動を期待すると少し違う印象かもしれないけれど。日本人のDNAに組み込まれたかのような野球への情熱が印象的。(2004/9)
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