「大コラム テレビ 芸能人編」
えなりかずきの背負う「子役」という言葉の「子」は、通常の年齢によるカテゴライズではなく、役柄を意味する。子役・えなりの生息する場は、「芸能」というよりは「法事」というくくりが正しい。
「大コラム テレビ 芸能人編」ナンシー関著(世界文化社)ISBN:4418045031
主に11年間に刊行された単行本から傑作146編を収録。もちろん消しゴム版画付き。
通読して印象的なのは、版画似顔の秀逸さ。単に似ているというより、「テレビに映る」顔を的確にとらえる。コラムもまた、当人の素顔とか、隠れた逸話とかに頼らず、見えたままを鋭くえぐる。だから、そう見えることを許している、あるいは見えるよう仕向けている、見る側の気分が浮かび上がるのだろう。掲載は時系列ではなく50音順。森繁久彌ら、2回登場する人物の、時間的経過を読む楽しさも。まだまだ読みたかった… (2004/8)
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