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May 05, 2004

「ふりだしに戻る」

ぼくは、ごく短い時間、部屋となかの家具を見ていた。もう朝の二時近い--一八八二年一月五日の午前二時が近づいているのだ、と心に思った。とつぜん、実験が現実に始まったのだという実感が湧いてきた。

「ふりだしに戻る」ジャック・フィニイ著、福島正実訳(角川文庫)ISBN:4042735010 ISBN:4042735029

広告会社のイラストレーター、サイモンはある日、政府関係者だという男から、秘密プロジェクトへの参加を持ちかけられる。プロジェクトとは選ばれた現代人を、「過去」のある時代に送り込むことだった。
時間旅行をテーマにしたファンタジーの名作。良くできた映画のように、百年前の冬のニューヨークが目の前に立ち現れる。見方によっては、この上なく後ろ向きな物語だろうけれど、読むほどに古びた校舎を再訪したときのような、切ない思いが胸に降り積もる。(1991/12)

円太亭麺人あれこれ: 「ゲイルズバーグの春を愛す」を読んだ

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