« 「ホット・ゾーン」 | Main | 「越境人たち 六月の祭り」 »

March 28, 2004

「狂食の時代」

あたり一面が死の世界だ。岩や海草のあいだを泳いでいく小魚一匹見あたらない。第一、その海草がない。海底をおおっているのは、海草ではなくて厚く積もった黒い泥だった。

「狂食の時代」ジョン・ハンフリース著、永井喜久子、西尾ゆう子訳(講談社)ISBN:406211156X

BBCラジオでキャスターを務めるベテランのジャーナリストがリポートする食の崩壊。
著者はウエールズに農場を持つ実践派だ。取材では養殖魚の危険を証明しようと、病気発生で使われなくなったゲージ跡の海底に自ら潜ることさえする。その体験が、様々な「沈黙の春」に迫力を与えている。特に抗生物質投与による耐性菌問題の指摘は先駆的。(2002/4)

« 「ホット・ゾーン」 | Main | 「越境人たち 六月の祭り」 »

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「狂食の時代」:

« 「ホット・ゾーン」 | Main | 「越境人たち 六月の祭り」 »