「暗号解読」
チューリングは一度母親に、軍関係の研究をしているとだけ話したことがあった。それを聞かされた母親は、政府の仕事をしているというのに、相変わらず身なりに無頓着で髪もぼさぼさな息子にがっかりしただけだった。
「暗号解読」サイモン・シン著、青木薫訳(新潮社)ISBN:4105393022
紀元前5世紀。ペルシャの専制君主にギリシャが征服されずにすんだのは「秘密の書記法」のおかげだった…。
古今東西、暗号の変遷をひもとく一冊。歴史がいかに情報に左右されるか、その事実もさることながら、陰の存在であるが故に暗号に翻弄されるかのような人々の運命が興味深い。なんとコンピューター理論の父、チューリングもその一人だ。(2001/10)
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