「影踏み」
双子の片割れではない、たった一人の人間になった。望み通りに。だが。一人…。それは、自分の影を失うということだった。
「影踏み」横山秀夫著(祥伝社)ISBN:439663238X
真壁修一34歳、仕事は「ノビ師」。空き巣と違って夜間、人の寝ている家に忍び込むことを専門とする腕利きの窃盗だ。出所後も仕事を続ける彼が、地方都市の小さな裏社会で様々な事件に遭遇する。
主人公は反社会的な存在だけれど、自分でも望まないまま事件解決に一役かってしまう。「三分で済ませろ」。妙な人間に話かけられると、クールにこう言い放つけれど、結局話をきいてやる。複雑な人間性の背景には、15年前死んだ双子の弟のことがある。
タッチは違うと思いますが、ハードボイルドの名作「さむけ」(ロス・マクドナルド著、小笠原豊樹訳、ハヤカワ・ミステリ文庫)を思わせる一作ではないだろうか。(2003/12)
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影踏み
横山 秀夫
短編集。いつものように警察が舞台ではなく、双子の弟を亡くした窃盗犯が主役である。その弟が自分の中に生きていて会話するという設定にもや... [Read More]
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タイトル:影踏み
著者 :横山秀夫
出版社 :祥伝社
読書期間:2004/11/10 - 2004/11/11
お勧め度:★★★
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影踏み横山 秀夫 祥伝社 2003-11by G-Tools
主人公は“ノビ師”の真壁修一。空き巣ではなく、夜、人が寝ている家に忍び込む泥棒。
基本はハードボイルド。でも、修一は、亡くなった双子の弟を自分のうちに宿しており、会話をする事ができる、というファンタジックな設定もあります。横山さんには珍しいですよね。
弟の名前は啓二。19歳のまま成長しない啓二には、天才的な記憶力があります。修一と啓二が遭遇する様々な事件を描いた、哀しい哀しい、連作短編集です。
修一と啓二は高校生のと... [Read More]
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