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March 28, 2004

「影踏み」

双子の片割れではない、たった一人の人間になった。望み通りに。だが。一人…。それは、自分の影を失うということだった。

「影踏み」横山秀夫著(祥伝社)ISBN:439663238X

真壁修一34歳、仕事は「ノビ師」。空き巣と違って夜間、人の寝ている家に忍び込むことを専門とする腕利きの窃盗だ。出所後も仕事を続ける彼が、地方都市の小さな裏社会で様々な事件に遭遇する。
主人公は反社会的な存在だけれど、自分でも望まないまま事件解決に一役かってしまう。「三分で済ませろ」。妙な人間に話かけられると、クールにこう言い放つけれど、結局話をきいてやる。複雑な人間性の背景には、15年前死んだ双子の弟のことがある。
タッチは違うと思いますが、ハードボイルドの名作「さむけ」(ロス・マクドナルド著、小笠原豊樹訳、ハヤカワ・ミステリ文庫)を思わせる一作ではないだろうか。(2003/12)

あらまの日々: 「影踏み」 横山 秀夫

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