アポテオーズ
バースデーディナーは贅沢に、apothéose(アポテオーズ)。虎ノ門ヒルズのホール&ギャラリー「TOKYO NODE」にお目見えしたフレンチ。港区虎ノ門2-6-2虎ノ門ヒルズステーションタワー49F東京NODE内。6811-2573。インテリアや盛り付けの演出、サービスは凝りまくっていて、もちろん味も独創的。一方で全体にバターやクリームではなくスパイスを多用していて、どこか洗練しすぎない素朴さ、野太さを感じさせ、くつろげる。
まず庭に面したソファで、虫の声など聴きながらお茶。それからガウディ風という扉を開けて、セラーと活気あるキッチンを抜け、窓が大きいダイニングへ。コース3万8000円。アミューズは流木に小さい器を刺すスタイルで、泉州水茄子の田楽、竹炭のブリニ(小さいパンケーキ)、中東の味をそれぞれつまんでパクリ。続いてかき揚げはアリコヴェール(さやいんげん)とスナップエンドウを軽く、その上に味わい深いピエール(バスク)の24ヵ月熟成生ハム。
続いて意外にも冷やしトマト麺。小皿に色とりどりのシマエビ、スズキ、薄切りのカリフラワー、花のジュレ、たっぷりのキャビアクリスタルを重ねてあって、自分で細いパスタを加え、トマト一番だしを注ぐ。面白い。さらに気まぐれピタとして、ピタに赤牛サーロインときゅうりのタルタル、紫ウニ、長芋をのせ、ポワロー(リーキ)クリームのエスプーマとスプラウトで立体的に。「菜園」は石鯛、タコに薄切りのビーツ、紅くるり(赤大根)、湘南レッド(赤玉葱)を飾り、ビーツのピューレ藁燻製をたっぷり。鮮やかです。
ほくほくのパンと野菜を練り込んだ美味しいバターが出たところで、早めに肉料理。京都弥栄(丹後)の七谷(ななたに)鶏のローストに、花びらみたいなセップ茸と熟成とうや(じゃが芋)のガレット。
その後で野菜料理となり、北海道JETFARMのアスパラとジロールのソテーに、人参と東南アジアの味・こぶみかんのピューレが爽やか。そして米料理は古代米の緑米と枝豆のリゾット、生しらす、空心菜、金針菜(本萱草のつぼみ)に小田原いのちの壱米のブイヨンを注ぐ。美味。
デザートはまず、小田原レモンの葉と美生(みしょう)柑(河内晩柑)のできたてアイスに、温かい西内小夏(日向夏の一種)の葛湯をかけて。優しい味だ。最後の「純粋」はさっぱりした蓼科のリュバーブをいろいろにアレンジ。バースデープレートと蝋燭も出して頂き、お茶菓子は上品にバラのパートドフリュイ(ゼリー)、バラとショコラブランのガナッシュ。素晴らしい。
ワインはスパークリング3800円のあと、ペアリング1万5000円で日本酒、ソフトドリンクも混ぜてもらう。ひとり6万4000円弱と、超贅沢しました~
成澤シェフの元で8年師事した後、パリで2019年から5年連続1つ星を獲得した北村啓太シェフが、15年ぶりに凱旋帰国したとのこと。店名はビルは地下鉄直結だけど、たどり着くまでエレベーターの乗り換えが多く、そのへんも特別感がある。レストランの窓からは皇居、レインボーブリッジ、スカイツリーと東京の都市が一望に。この日はちょうど着いたときが激しい雷雨、高層ならではの雷の轟音、稲光。そこから雨があがって眺望が開け、幻想的な夕焼け、洗い流されたビル群と湾岸にまたたく夜景と楽しめてドラマチックでした。屋外には庭と、外縁が無いように見える真っ青なインフィニティプール(観賞用!)があり、隣は3ツ星シェフ小林圭のグリルが売り物「KEI Collection PARIS」と高級感満載。ご馳走様でした!
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