アリー/スター誕生

主題歌の大ヒットが懐かしい、1976年バーブラ・ストライサンド主演「スター誕生」の、また37年の元ネタからは3度目のリメーク。主演レディー・ガガ様の、切なくもパワフルな歌唱力を楽しむ。機内で。
片田舎のウエイトレス・アリー(ガガ)が、カントリーロックの大物ジャクソン(監督でもあるブラッドリー・クーパー)に見いだされ、結婚すると同時に、ポップスターの階段を上がっていく。痛快だし、ライブシーンなどにガガの才能と温かみが溢れて、説得力がある。
一方、ジャクソンはアリーと出会う前からアル中という設定。支えていた兄とも決裂しちゃって、泥沼にはまっていく。痛々しいものの、ダメな感じは色っぽいな。
音楽プロデュースはルーカス・ネルソン。ダイアン・ウォーレンらが曲を提供してるようです。

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ボヘミアン・ラプソディ

応援上映でブームとなったヒット作をシネコンで。ボーカル、フレディ・マーキュリーの苦悩の人生を描く。テンポの良い展開、ラストの壮大なウェンブリー・スタジアムのライブエイドと、「ユージュアル・サスペクツ」の監督ブライアン・シンガーの腕が冴える。
小学校高学年から中学という「クイーン世代」真っ只中としては、なんといっても名曲連打の力が随一。オペラ好きというのもイメージぴったりだ。
とはいえクイーンといえば王子様ロジャー・テイラーと哲学者ブライアン・メイと思っていたし、フレディは単にインド系としか認識してなかったので、実はザンジバル島(イギリス保護区、現在はタンザニア)生まれのペルシャ系パールシー(ゾロアスター教徒、タタですね)で、インドの寄宿学校で育ち、ザンジバル革命の混乱からイギリスに移ったという複雑さにびっくり。移民、宗教、LGBTと現代的な要素がたっぷりで、スターゆえの人生のゆがみが悲しい。
ステージングがそっくりで、絶賛フレディ役のラミ・マレックのほか、温かく見守る元恋人メアリーのルーシー・ボイントンや父母、猫たちが印象的。最後の恋人ジム・ハットンのアーロン・マカスカーもいい味でした~

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太陽の塔 TOWER OF THE SUN

縄文展から岡本太郎記念館の流れで、長編ドキュメンタリーを鑑賞。パルコの曽根祥子がプロデューサーを務め、公募で選ばれた監督は、映像クリエイターで1976年生まれの関根光才。
48年ぶりに塔内展示「生命の樹」が一般公開されたタイミングでのロードショーだが、制作秘話や作品解説ではない。研究者やアーティスト29人へのインタビューを構成し、監督自身が今、あまりに有名な巨大建造物に何を思うか、を語っていて興味深い。シネクイントのサービスデーで1100円。
全編を引っ張るのはやはり、塔が放つ強烈な異物感だ。1970年、「人類の進歩と調和」をテーマに6400万人を動員した国家的イベント、大阪万博にあって、岡本太郎がぶつけたメッセージはなんと「人類は進歩なんかしない」だったのだ。
パリから戻った岡本が目指した日本オリジンへの回帰、縄文土器や花巻の鹿踊り、アイヌ、沖縄を俯瞰し、塔と同時期に制作された壁画「明日の神話」を読み解く。その科学不信は、311を経験した現代日本だからこそ深い。さらには塔内部が描く壮大な生命史に、曼荼羅やチベット仏教との共鳴を見る。
登場するのは民俗学の赤坂憲雄、文芸批評の安藤礼二、人類学の中沢新一、ダンサーの菅原小春ら。いやー、やっぱりタダモノではないなあ。

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