劇場版MOZU

2014年にTBS、WOWOWの連携ドラマで話題になった、逢坂剛原作のアクション。テレビも相当だったけど、ひたすら残虐シーンが続いて、ストーリーそっちのけだ。「海猿」などの羽住英一郎監督。

とにかく主要登場人物の不死身ぶりが凄い。満身創痍でもクールにくわえ煙草の倉木(西島秀俊)はもちろん、西部劇のような相棒、大杉(香川照之)が驚異の粘りだ。
これでもかと登場する無茶キャラの中では、東(長谷川博己)が意味不明にド派手なカーチェイスを披露し、突出してキレキレ。人非人過ぎる権藤(松坂桃李)や、格好つけてる高柳(伊勢谷友介)が新キャラとして登場したけど、押され気味です。お馴染み新谷和彦(池松壮亮)の登場は、ちょっと唐突だったかな。赤星(真木よう子)は変わらず可愛い。ほかに村西役の阿部力ら。

画面を覆う水滴や雨、燃え上がるビル屋上など、映像は面白いし、フィリピンロケのスラムも強烈だ。ただお話としては、謎のダルマ(ビートたけし)に案外あっさり到達。勿体つけてたドラマ版に比べると、拍子抜けかな。テーマは国家的犯罪というより、家族愛でした。

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チャイルド44

原作は英トム・ロブ・スミスの2009年「このミス」海外1位作。…と期待して観たら、ミステリー要素は消化不良で肩透かし。むしろ50年代ソ連の問答無用の理不尽さ、重苦しさが強烈だ。

リドリー・スコットらが製作したハリウッド映画だけど、監督はスウェーデンのダニエル・エスピノーサ。ボロボロになる主人公レオは「マッドマックス」のトム・ハーディ、妻ライーサに「ミレニアム」のノオミ・ラパス、盟友になる田舎町の将軍は曲者ゲイリー・オールドマン。録画で。

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スポットライト 世紀のスクープ

ジョシュ・シンガー、トム・マッカーシー脚本、マッカーシー監督のアカデミー賞作品賞受賞作。2003年ピューリッツァー賞をとったボストングローブ紙による、カトリック司祭の性的虐待と枢機卿の隠蔽体質に関する調査報道を描く。機内で。

登場人物が多く、淡々として地味。でも調査報道ってそういうものかも。ディープスロートとか胸のすくような駆け引きとかはなくて、裁判所や社の資料室でコツコツ資料を発掘し、被害者、加害者を訪ね歩いて辛い話を聞く積み重ねだ。
宗教組織や地域の有力者の妨害にあうけど、新任のユダヤ系編集長バロン(リーヴ・シュレイバー)が推進。911で一時停滞しちゃうあたりはスリリングだ。

俳優陣は手堅い。チームを率いるロビー(マイケル・キートン)や押しの強いマイク(マーク・ラファロ)、紅一点で共感力を見せるサーシャ(レイチェル・マクアダムス)、ちょっと控えめなマット(ブライアン・ダーシー・ジェイムス)の、迷いながらも結局はぶれない正義感が格好いいです。
格好いいだけでなく、かつて同じ新聞社が、情報を得ながら深く調べなかった、といった苦さにも触れていて公平な感じ。そのあたり、もっと描いてほしかったかな。

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ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション

トム・クルーズ製作のシリーズ5作目。「ユージュアル・アスペクツ」脚本のクリストファー・マッカーー監督・脚本。機内で。

相変わらずストーリーはわかりにくいんだけど、世界を駆け巡る華麗なロケと、クルーズの体を張ったアクションで見せちゃう。
今回はソロモン(ジョーン・ハリス)率いる凶悪犯罪組織「シンジケート」との対決に加えて、IMFを解体しちゃうCIA長官(アレック・ボールドウィン)、実はシンジケート設立に関わっていたMI6とも対決。
超人的能力を持つ美人スパイ(レベッカ・ファーガソン)のビジュアルが素晴らしく、仲間たち(冷静沈着なジェレミー・レナー、頼れるハッカーのウィング・レイムス、オタクで3枚目のサイモン・ペッグ)との少年ジャンプ的友情も楽しい。

お楽しみのロケのほうは、なんとウィーン歌劇場の「トゥーランドット」シーンが素敵。モロッコの異国情緒と、カーチェイスも格好いい。ラストはロンドンでした~

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バクマン。

大根仁監督・脚本、川村元気プロデュース。「少年ジャンプ」デビューを目指す高校生コンビの「友情、努力、勝利」の物語。荒唐無稽だけど楽しい。機内で。

主人公で描画担当の佐藤健がメヂカラを発揮し、ストーリー担当の神木隆之介もさすがの演技力だ。ライバルの天才高校生役の染谷将太が怪演し、ヒロイン小松菜奈はまさに青春ラブコメかゲーム風で可愛い。脇も曲者揃いで、桐谷健太、新井浩文、山田孝之、宮藤官九郎等々。
怒涛のマンガ執筆を表すCGも面白かった。テーマはサカナクション。

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マイ・インターン

ロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイという、年の離れた男女の友情物語。ナンシー・マイヤーズ監督・脚本。機内で。

年末に訪れたブルックリンが舞台ということで、楽しく観た。ファッションサイトCEOであるジュールス(ハサウェイ)の服装も楽しい。
ストーリーは起業家として社の運営や家族とのすれ違いに悩むジュールスを、シニアインターンのベン(デ・ニーロ)がベテランの知恵を駆使して全面的に応援してくれるという、ワーキングマザーにとって夢のような展開。まあ、甘すぎるんだけど、ハリウッドコメディとして新しい枠組みを開拓したといえる。70代のデ・ニーロがなかなかのお茶目ぶり。

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ブリッジ・オブ・スパイ

スティーブン・スピルバーグ監督、マット・チャーマンとコーエン兄弟脚本。東西冷戦でスパイ事件に巻き込まれた民間人弁護士の実話を描く感動作だ。機内で。

ジェームズ・B・ドノバン(トム・ハンクス)は保険分野のヤリ手弁護士。1957年にソ連のスパイ、ルドルフ・アベル(マーク・ライランス)の弁護を引き受け、国策裁判の壁と世論の批判に立ち向かって、禁固刑を勝ち取る。そして1960年。偵察機パイロットのフランシス・ゲーリー・パワーズ(オースティン・ストウェル)とアベルの交換を託されたドノバンは、極寒の東ベルリンに乗り込み、学生フレデリック・プライヤー(ウィル・ロジャース)を含む2対1の交換を主張。CIAのホフマン(スコット・シェパード)らと対立しつつ、命がけの交渉に臨む。

前半はブルックリンハイツなどが舞台。ソ連の核に対する恐怖に煽り立てられる大衆心理と、そんな世間に対し、人権の理念こそが移民国家をまとめる軸だと語るドノバンの毅然さ。今こそ耳を傾けるべきテーマだ。
さらに後半、まさに壁が築かれつつあるベルリンの殺伐とした光景は、個人的にも2年前に訪れているだけに、胸に迫る。チェック・ポイント・チャーリーとグリーニッケ橋の緊迫の交換シーン。ドノバンとアベルは共に国家の非情を知り抜き、立場は決して交わらないが、互いの信念を認め合う関係になっていく。

個人、大衆、国家。いったいこの時から、世界はどれほど進化しているのか。苦みを残す作品でもある。

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黄金のアデーレ 名画の帰還

サイモン・カーティス監督。ナチに奪われた美術品を取り戻す、という主題はジョージ・クルーニーが格好良かった「ミケランジェロ・プロジェクト」と共通だけど、こちらはヘレン・ミレン演じるたった一人の高齢女性の、凛とした闘いだ。日本橋のシネコンで。

ストーリーは若い頃ユダヤ迫害を逃れて渡米し、今は西海岸で小さい洋品店を営んでいる82歳のマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)の実話。なんとクリムトの名画「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像」を返してほしいと、オーストリア政府を訴えたのだ。高齢女性が単身、一国の政府に戦いを挑む。あなたたちにとっては「オーストリアのモナリザ」と呼ばれる至宝だとしても、「私にとっては叔母なのだ」というセリフが格好いい。

ところがマリアは訴訟のためだとしても、二度とウィーンの地を踏みたくない、と頑なだ。ウィーンに舞い戻ると、恐ろしい脱出の記憶が生々しく甦る。そして終盤には、心の奥底にしまい込んだ、真実の悲しみが吐露される。中東、欧州情勢が動揺している今このタイミングだけに、移民という立場の怒りと深い悲しみがひしひし。いい映画です。

マリアの情熱に巻き込まれ、やがては逆にマリアを鼓舞する役回りとなるのは、駆け出し弁護士のランディ(ライアン・レイノルズ)。初めは頼りないんだけど、作曲家シェーンベルクの孫という血筋のプライドに目覚めていく。マリアの毒舌との、ユーモアあふれるやり取りがとてもチャーミングだ。

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ルンタ

「蟻の兵隊」「先祖になる」の池谷薫監督による、140人を超えるチベットの焼身抗議を追ったドキュメンタリー。彼らはなぜ過酷な道を選ぶのか。ごく淡々としたタッチで、理屈っぽい説明は抑え目。もちろん映画を観ただけで、その心持がわかるわけではないけれど、砂漠の民とはまた違った草原と山岳の民の精神性を思う。劇場で。

案内役は中原一博。インド・チベット亡命政府の専属建築家であり、彼らの闘いの記録をブログで発信している。映画前半はインド北部のダラムサラ、中原設計の学習・就労支援施設「ルンタハウス」を中心に、亡命チベット人たちの壮絶な人生の証言を綴る。
圧巻は中原と共に、焼身の現場を訪ねていく後半だ。遊牧民の暮らしと、イケメン若者の眼力の強さ。色とりどりのタルチョ―(祈祷旗)が風にたなびいて鳴らす、ルンタ(風の馬)の足音。山岳にこだまする祈りの声と、草原にかかる雄大としか言いようのない虹。そして輪廻の思想からすべてを受け入れてなお、屈しない心というもの。
これほどの軋轢がありながら、寺院にけっこう大勢の中国人観光客がいることに驚く。

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アデライン、100年目の恋

事故によって何故か年を取らなくなり、面倒を避けるため素性を隠して生きる女性アデラインの、生涯2度の恋を描く。荒唐無稽なロマンティックファンタジーだけど、タッチが上品で雰囲気がある。リー・トランド・クリーガー監督。機内の吹き替えで。

一目で運命の彼を恋に落とすヒロイン、アデラインを演じるブレイク・ライヴリーが堂に入った演技だ。見た目は20代でも、100年生きた知恵が溢れる。ユーモアある当意即妙の切り返しもいい。
ちょっと不器用な彼、エリス・ジョーンズ役のマイケル・ユイスマンはなかなか色気があり、その父ウィリアムのハリソン・フォードが元気に走る走る。車のキーを投げるところが素敵だ~
ベテラン、エレン・バースティンが、見た目はずっと年下の母を気遣う娘を好演。説明調のナレーションも古風で悪くないです。

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