千と千尋の神隠し

宮崎駿監督・脚本。柊瑠美、入野自由、夏木マリ。劇場で。

八百万の神が集まる湯屋にたったひとり迷い込んだ少女、千尋の不思議な経験と成長。

空を飛ぶイメージが多い監督だと思ってましたが、今作で印象的なのは圧倒的に水でしょう。「雨が降れば海にもなるさ」といった、この東洋的とでも呼びたいようなイメージの鮮やかさはさすが。

そして明治か大正のような温泉宿がかもし出す懐かしさ、理屈を超えた神々の存在感、欲のむなしさを象徴するようなカオナシの造形。見事としか言いようがない。醒めた後も忘れられない夢のようなんだよなー。 

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「ブリジット・ジョーンズの日記」

シャロン・マグアイア監督。レニー・ゼルウィガー。録画で。

独身女性の日常を描いたベストセラーの映画化。

とにかく爆笑。ちゃんと体を張って演技するレニー・ゼルウィガーが見事! 原作が有名だし、コメディだし、そんなにリキを入れなくても一定の成功を予測できただろうに、なんて思っちゃうくらい。
日本で言えば、「男女7人」の大竹しのぶみたいなものでしょうか… 例える必要もないけど。古いし。

ジェフリー・アーチャーまで出てる。

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「アメリ」

ジャン=ピエール・ジュネ監督。オドレイ・トトゥ。録画で鑑賞。

モンマルトルを舞台にした、空想好きな娘アメリの不思議な日常。

ヒロインの切りそろえた前髪と、細い足首が、いたずらっ子らしい雰囲気をよく醸していて魅力的。こっそり人を幸福にする趣味っていったって、ほとんどいたずらだよね。

パリの映像も美しい。好きな人とすれ違う昼下がりの広場の、オレンジがかった光、そして伸びた人の影が、妙に懐かしい感じでわくわくする。映画を観て以来、駅とかの証明写真ボックスが、なんだかロマンチックなものになっちゃいましたよ。

可愛らしいだけでなく、シュールな味わいもある。人とわかり合うのは難しくて、とても手間だけれど、手間をか ける甲斐はあるのかも、と思わせる一作。

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「RED SHADOW 赤影」

中野裕之監督。安藤政信。録画で。

昔懐かしい「仮面の忍者 赤影」を原作にしたアクション時代劇。

前半のCGを使ったアクションシーンは、ゲーム画面のようであまり新鮮ではないと思ったけれど、後半はどんどん忍者映画らしくなくなってしまって、意外に楽しめた。安藤政信のピュアさが全開、村上淳とのコンビの、ある意味古典的な青春映画。そもそも仮面つけてないし。

藤井フミヤ、椎名桔平、吹越満と脇役陣が豪華。特筆すべきは、出演もしている布袋寅泰ギターのバラード。圧倒的迫力で流れる。本当に、映画音楽が似合う人です。

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「バニラ・スカイ」

キャメロン・クロウ監督。トム・クルーズ、ペネロペ・クルス。録画で。

やはりペネロペが主演したスペイン映画「オープン・ユア・アイズ」のリメイク。ある交通事故が運命の境目となって、転落していく男の苦悩。

往年の名画へのオマージュや、ロックの名曲など、イメージ満載で丁寧に作り込まれているのはわかるのだけれど、今ひとつ意外感がなく、ピンとこないのはなぜだろう。

そんななかでペネロペ・クルスの「目」が印象的だ。英語がなんとなく、たどたどしいからこそか、特に泣き笑いのような葬儀シーン。

夢と現実が入り乱れる複雑なサスペンス。たぶん、どこかに「ストーリーに入り込むポイント」があり、そこを逃しちゃいけないんだろうな、と思いました。

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「ソードフィッシュ」

ドミニク・セナ監督。ジョン・トラボルタ、ヒュー・ジャックマン、ハル・ベリー。録画で。

製作にジョエル・シルバーが名を連ねる犯罪アクション。冒頭の大爆破や銃撃戦など、あまり必然性の感じられないド派手なシーンの連続だ。シーンとかセリフとかに、それぞれ「元ネタ」がある感じで、それはそれで結構目が離せないのだけど。

ソードフィッシュ(めかじき)というのは、思いこみを利用して間違った方向に誘導する、という意味があるそうです。というわけで善玉悪玉入り乱れた、ひねったストーリーなんだけど、個人的には引き込まれ損ないましたぁ。謎いっぱいのリーダー、変な髪型のトラボルタの存在感はさすが。なんかもう、登場シーンからして「食わせもの感」満載です。

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「スターリングラード」

ジャン=ジャック・アノー監督。ジュード・ロウ。録画で。

1942年のスターリングラード(現ボルゴグラード)独ソ攻防戦。実在した狙撃兵ザイツェフとケーニッヒ大佐との対決を描く。

冒頭から、戦闘シーンがとにかく凄まじい。描き方が辛辣すぎるという指摘もあるようだが、戦争の理不尽さが問答無用で胸に迫る。一方で、狙撃一騎打ちの緊迫と、一抹の希望を感じさせるエンディングが、エンタテインメントとしても秀逸だ。やっぱりジュード・ロウが素敵。

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「ムーラン・ルージュ」

バズ・ラーマン監督。ニコール・キッドマン、ユアン・マクレガー。録画で。

世紀末のキャバレー「ムーラン・ルージュ」を舞台にした、踊り子と作家のラブストーリー。
とにかく画面いっぱいに、キッチュできらびやかな美術、意表をつくCGがあふれ、目が回りそうなミュージカル。特にパリの街の、煙ったような眺望が美しい。作り手が細部に凝っているうちに、どんどんエスカレートしちゃったみたいで、楽しいです。ちょっと疲れるけどね。
主演二人の歌がうまくてびっくり。やっぱりエルトン・ジョンは抜群にロマンチックだ!

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