蜂蜜と遠雷
映像表現が美しく、心洗われる音楽映画の佳作。不思議ちゃん風間塵を演じた鈴鹿央士がみずみずしい。国際コンクールで競い合うピアニストたちの群像、若者の葛藤と成長を描いた恩田陸の直木賞・本屋大賞ダブル受賞作を映画化。監督・脚本はドキュメンタリー出身の石川慶。
ライバルである松岡茉優、森崎ウィン、臼田あさ美、松坂桃李らが、ひととき息抜きする砂丘。ケンケンパがいつも間にかモーツァルトになっちゃうシーンの解放感が素晴らしい。世界のすべてが音楽に聴こえている、そんな天才っているんだろうなあ。ロケ地は南房総だそうです。終盤、降りしきる雨のなかから、表現したい気持ちがわき上がっていくところも素敵。
プロコフィエフ等々、映画化最大の難関だったろうピアノ表現は、メーンキャストそれぞれにピアニストを起用する豪華さだ。ドイツ在住の河村尚子(松岡)、福間洸太朗(臼田)、金子三勇士(森崎)、藤田真央(鈴鹿)といずれも日本を代表する若手だとか。課題曲「春と修羅」は、藤倉大が4人に異なるカデンツァ(即興的部分)も作曲!
クールな審査員長の斉藤由貴と、「わかってそう」なクロークの女性、片桐はいりがいい味だ。設定のモデルは3年に1度の浜松国際ピアノコンクールだそうです。
最近のコメント