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TENETテネット

年末は自宅で映画三昧。「ダンケルク」のクリストファー・ノーラン監督の、難解過ぎで話題だったSFを、録画で。はなから覚悟していたので案外、楽しめた。
派手なアクション、カーチェイスの一部に、時間を逆行する人や車や銃弾がまじるのが、内臓がふわっと浮くような違和感で実に面白い。いったいどうやって撮っているのやら。こういうことを発想して、実現してみせる才能というものが、まず凄い。

どうやら未来でエントロピー減少=時間逆行により大量虐殺ができる「アルゴリズム」が開発され、未来人と結託した在英ロシア人の武器商人(ケネス・ブラナーが貫禄)が現代で実行を画策、ということらしい。陰謀を阻止するための謎の組織TENETにスカウトされた、名無しのCIA工作員(ジョン・デヴィット・ワシントン、デンゼルの息子なんですね)と協力者ニール(ロバート・パティンソン)が大活躍する。
TENの回文であるタイトルが象徴するように、順行・逆行2つの時間軸(赤と青)による「挟撃」がテーマになっていて、同じシーンがまず順行、次に逆行の視点で繰り返され、頭がクラクラする。ほかにもキエフの巨大オペラハウスで、観客が全員失神しているとか、びっくりの絵が続々。

テンポが良く、情報も満載なので、演技を味わう暇がないけど、ストイックなワシントンに対し、人を食った感じのバディ・パティンソンが魅力的。そんな態度も実は謎解きになっていて、凝りまくりです。ブラナーに反発する妻キャット役のエリザベス・デビッキが、すらりとした肢体と勝ち気な表情で、目を奪う。オーストラリア出身で元バレエダンサーなんですねえ。

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